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レッツMEditQ COLUMN
2023.05.22
2023.05.22
なぜ「医学をゲームする」なのか?
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開催まで1か月を切ったMEdit Labのワークショップ「レッツMEdit Q! 医学をみんなでゲームする!」ですが、今日は改めて、なぜ「医学をゲームする」なのか、説明したいと思います。

■ゲームは遊び? 子どもっぽい?

みなさんは、ゲームと聞いてどんなイメージを持つでしょうか。先日、あるエライ方から「ゲームってちょっと子どもっぽくありません?」と言われました。たしかに、ゲームと言えば、テレビゲームや遊びが連想され、勉強と対極にあるものだと思われる方も少なくないでしょう。

さらに、もっとネガティブなイメージをお持ちの方は「医学をゲームするとは、なんと不謹慎な!」とお怒りになるかもしれません。国際疾病分類(ICD-11)には、「ゲーム障害 Gaming disorder」という疾患が新たに加わりましたし、ゲームは健康を害する悪しきツールになる可能性がある、というレッテルを貼られることも当然かと思います。

そんな背景があるのを承知の上で、MEdit Labでの記念すべき初めてのワークショップのテーマを「医学をゲームする」とした私たちMEditチームは、今、ワークショップに向けて改めて「いったいゲームって何なのか」という原点に立ち還りつつ、どんなワークショップを企画すれば参加者のみなさんがわくわくしながら、学び方を学び、医学の奥深さに触れられるのか、熱い議論を交わしながら準備を進めています。

■RPG、ボードゲーム、カードゲーム、鬼ごっこもWBCも ぜんぶ「ゲーム」

もうひとつ質問です。みなさんにとってゲームといったら何を思い起こすでしょう? こちらも色々な答えが出てきそうです。チェスや将棋のような対戦型のボードゲーム、トランプやUNOなどのカードゲーム、あるいはファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどのいわゆるRPGやスプラトゥーンやマリオカートなどの対戦型デジタルゲームを思い起こすひともいるでしょう。
おしゃべり病理医の家にあるアナログゲームたち
一番のお気に入りは「WATER WORKS」。“水道管ゲーム”の愛称がありますが、相手に破裂した土管をくっつけて進行を妨げたりしながら、自分の土管をつなげていち早くゴールしたものが勝ちというゲームです。ダイヤモンドゲームでもよく遊んだなぁ~。

また、鬼ごっこやかくれんぼなどの体を使った遊びも連想されるでしょうし、野球やサッカーなどのスポーツをあげる方もいるかもしれません。このようにゲームは必ずしもテレビゲームに限られるものでもなく、単に害のあるものであるとか子どもじみたものとは言い切れなくなります。少なくともWBCでの日本代表の激闘を見て、「子どもっぽい」と感想を持ったひとは少ないでしょう。

ゲームには、実に様々な側面があることがわかります。

■ゲームの定義とは

それではゲームというのはいったいなんなのでしょうか。どういう特徴があればゲームになるのでしょうか。ゲームとゲームでないものの違いは何でしょうか。

なかなかに難しい問いです。でも、それだけにゲームはやりがいのあるテーマなのです。私が今、教科書のように読んでいる『RULES OF PLAY』(参考文献参照)では、ゲームの核となる概念、ルール、遊び、文化の4つのテーマから、ゲームデザインについて解説されています。

なんといってもゲームのいちばんの特徴は、ある一定のゴールに向かって、独自のルールに則ったプロセスがあること、その中に様々な情報の動きがある、ということです。
お手製の「MEditウイルスバトル」のカードたち
白紙のカルタを購入し、ひとつずつサインペンでお絵描きしました。書いた後に、点数を変更せざるを得ないことになり、白い紙を貼って修正したりしています…(汗)遊び方が気になった方は、以下のサムネイルをクリック♪

ワークショップでは、情報の動きに着目しながらゲームの仕組みを考えていきます。きっとこの体験は、今後、文化祭のプログラムを考えたり、勉強のスケジュールを立てたりといった様々な企画の場で活かされるはずです。

■「社会の縮図」たるゲームから、学びが始まる

ゲームというのは遊びの要素が必ずあります。だからこそ、子どもっぽいとか娯楽であるといったネガティブな印象につながってしまうことも少なくありませんが、プレイヤーをワクワクさせ、ゲーム内のルールを易々と理解させる力を持つものです。医学をテーマにしたゲームも、専門的で難しい内容をとっつきやすくし、楽しく学ぶきっかけとして活用できる可能性を秘めています。

また、それだけではありません。ゲームというのは必ず、それが考案された時代や国や民族の文化が色濃く反映されます。戦争のない社会に、戦闘ゲームやサバイバルゲームといったものは誕生しません。ゲームは社会の縮図でもあるのです。

医学が社会で医療を実践するための実学であるのなら、「医学をゲーム的に見る」ことで、今の医療についての問題点を浮き彫りにしたり、新たな可能性を見出す機会になるかもしれません。

いずれにしても「医学をゲームする」は、初めての試みです。ワークショップは、立場の違いは関係なく、医学をゲームすることを参加者みんなで堪能したいと思っています!

ワークショップの様子は随時、本サイト内でご紹介していきますね。お楽しみに!
◆参考文献◆ ケイティ・サレン&エリック・ジマーマン著、山本貴光訳『ルールズ・オブ・プレイ-ゲームデザインの基礎』ニューズゲームズオーダー社
追伸:MEditチームの私たちが今、注目しているのが参考文献を出版してる会社、ニューズゲームオーダー社の『枯山水』。異色の国産ボードゲームとしてヒットしているとか…。コンセプト、ルールづくり、などなど、気になります!

投稿者プロフィール

小倉 加奈子
小倉 加奈子
趣味は読み書き全般、特技はノートづくりと図解。一応、元バレリーナでおしゃべり(おえかき)病理医。モットーはちゃっかり・ついで・おせっかい。エンジニアの夫、医大生の息子、高校生の娘、超天然の母(じゅんちゃん)、そしてまるちゃん(三歳♂・ビション・フリーゼ)の5人+1匹暮らし。