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レッツMEditQ COLUMN
2025.03.27
2025.03.27
応急処置、俳句、そしてパン屋修行。ゲーム三昧「MEditカフェPISCES2025」開催!
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オフシーズンではありますが、月1回のMEditカフェは熱く進行中です!

3月15日土曜日午後、順天堂大学 本郷・お茶の水キャンパスのGAUDI会議室を借りて、たっぷり4時間のMEditカフェを開催しました。 “保健体育の授業をボードゲームで変えたい”というひそかなミッションを胸に、私たちの医学ゲームづくりは続いています。

参加メンバーは、順天堂大の医学生が5名、高校生2名、私たちを含めて大人が4名。今回も嬉しいことに「はぁって言うゲーム」などの大人気ゲームの作家、レジェンド米光一成さんがご参加くださいました!なんて贅沢。

▼GAUDI会議室は、広々としたテーブルがあって、ゲームで遊ぶには最適な環境

まずは、高校2年生、しんちゃん制作の応急処置ゲーム「ならべいど」の試遊。このゲームは、今年度の「医学をみんなでゲームする2」のMEdit賞受賞作品でもあり、保健体育の授業で使えそうな正しい応急処置を学べるシリアスゲームです。しんちゃんは、しっかりと応急処置の内容を勉強しつつ、ゲームとしてもより面白さが出るように改良を続けてきてくれました。

何度か遊びながら、ゲームの改良点をみんなで話し合います。

「対戦型だし、点数計算ではなく、単純な勝ち負けの方がすっきりしそうだね」「授業で活用するなら、ルールはなるべくすっきりした方が先生に質問が集中したりしなくてすみますよ」特に米光さんのアドバイスは、とっても的確でした。このゲームの目的を考えての提案に目から鱗の私たち。

▼ゲームを考案したしんちゃんがゲームマスターとなってゲームが進行していきます

▼救急患者さんそれぞれにどんな処置が必要か、正しい順番に並べるゲーム。速さと正確さが勝負

「ならべいど」は、試遊した結果、ひとまず少しデザインを施して、本格的にプレイができる状態とし、MEditカフェ以外のゲームのプロの方々や教科書会社さんに検討していただく準備をすることに! 高校生のしんちゃん、よくぞここまで頑張りました!

「ならべいど」の後は、「ito!」や米光さんの代表作「はぁって言うゲーム」そして、MEdit Labの今現在の代表作(笑)「バナオーマ」のプレイタイム!

▼パーフェクトに診断できたバナナたち!

「バナオーマ」は、今年度ずっとMEdit授業で様々な学校の高校生たちに遊んできてもらったゲームですが、9名でやったことはなかったため、成功するかどうかわかりませんでしたが、みんなで協力しあって、無事、正しくバナナの熟し具合を成熟度順に並べられた私たち。自分のバナナの熟し具合を以下に言葉でうまく表現するか、みんな、頑張りました!

次に登場したのが米光さんが教えてくださった、紙とペンで遊べるゲーム。なんでも東京大学のゲームサークルが考案したらしい、その名も「微分積分俳句・短歌」!

このゲーム、みんなで協力して俳句や短歌をつくります。17字の俳句の場合は、10名のプレイヤーが輪になって座り、自分の紙にひらがなで一字ずつ文字を書いて隣の人に回します。17回繰り返すと、あら不思議、俳句ができている!というシンプルなルール。

短歌の場合は、31字の文字をひとつずつ書くのではなく、5・7・5・7・7と、5つの句をまとめて一人のプレイヤーが担当。初句を書いたら、隣の人にわたし、そのひとが続けて7音の二句を考えます。次に渡すときは、初句を隠すのがルール。つまり、ひとつ前の句しか見ることができない状態で、新たにつけ句していきます。

これが想像以上に楽しく、奥が深く、みんなで大盛り上がり! 最終的に自分の手元に戻ってきた完成した俳句や短歌をみんなの前で読み上げながら(さも自分ひとりが名句を作ったかのようなテンションで)、解説をしていきます。

不思議と全く意味がわからないものができず、なんとなくイイ感じの雰囲気のある俳句や短歌が仕上がるのがなんとも面白い。短歌を例に挙げるとこんな感じです。

・ありがとう 手紙に寄せる この気持ち つつんで送る コーヒーメーカー

・よがあけて いぬとりなけば きびだんご ひとつわたしに わけよとねがう

「俵万智っぽいね!」「日本昔話か!」といろんな感想を交し合いました。

▼微分積分短歌の集合写真

▼微分積分俳句・短歌の発表タイム。拍手が沸き起こり、笑いが絶えず

最後は、なーんと!米光さんが考案中の「パン屋修行ゲーム」のテストプレイを行いました。米光さんに聞くところによると、「サイコロを大量に振って遊ぶゲームを作りたかった」のだそう…。すでにその発想が面白すぎです。

ルールは簡単で、サイコロの目の数の書かれたマスにパンの絵を描いていくといのが基本スタイル。Lesson1からだんだんとパン屋の修業が進んでいき、振るサイコロの数も使えるサイコロの数もどんどん増えていくゲームです。まだ考案中のため、詳細は伏せますが、こんな簡単なゲームでもわくわくしたり、夢中になったりできるんだ!ということを米光さんからいつも学びます。

▼米光さんが持ってきてくださったプレイシートにパンを書き込みながらゲームする

医学を題材にしたシリアスゲームは、「医学知識を知ってほしい」という思いばかりが先行して失敗するゲームが少なくありません。ゲームは、楽しいから遊ぶのであって、最初からお勉強のにおいがぷんぷんしているとやる気をそがれます。夢中で遊んでいたら、あら不思議、医学知識も身についちゃった!というのが理想です。

そんな素敵なゲーム、作れたらいいな。私たちの挑戦は続きます!

 

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投稿者プロフィール

小倉 加奈子
小倉 加奈子
趣味は読み書き全般、特技はノートづくりと図解。一応、元バレリーナでおしゃべり(おえかき)病理医。モットーはちゃっかり・ついで・おせっかい。エンジニアの夫、医大生の息子、高校生の娘、超天然の母(じゅんちゃん)、そしてまるちゃん(三歳♂・ビション・フリーゼ)の5人+1匹暮らし。