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2025.08.14
2025.08.14
なんと女子高生が男子校で授業!「本郷高校/湘南白百合学園」合同MEdit授業開催
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巣鴨駅にほど近い男子校の私立本郷高校と、江ノ島にほど近い女子校である湘南白百合学園は、いずれも順天堂大学と高大連携協定を結ぶ学校であり、昨年度も両校でMEdit授業をそれぞれ開催させていただきました。

その両校が今年度は満を持してコラボし、本郷高校/湘南白百合学園そして順天堂大学の3校での高大連携プログラムを企画。7月28日、29日の二日間開催で、初日は本郷高校でのMEdit授業、2日目は順天堂大学の本郷・お茶の水キャンパスで、臨床検査医学をテーマとした授業が開催されました。

つまり・・・男子校の本郷高校に、湘南白百合学園の女子生徒さん20名ほどが来校しての合同授業。“湘白”の女子生徒さんをお迎えする本郷高校の先生方と生徒さんとともに、私たちもなんだかわくわくドキドキでMEdit授業当日を迎えました。

私立本郷高校のキャンパスは、巣鴨駅から徒歩数分ですが、とても広大な人工芝のグラウンドがあり、私たちがお邪魔したお昼の時間帯にもサッカー部の生徒さんが元気に練習に励んでいました。

ふと見るとグラウンドの脇にはクールダウン用の立派なビニールプールが! 先日のMEdit Labワークショップのオープニングイベントで熱中症について学んだ私たちは、「おぉ!熱中症対策にてきめんのプールが~!」とコーフン。

きめ細やかに生徒さんの安全を考えておられるんだなぁと、本郷高校さんの万全の熱中症対策に感じ入りました。

◆ゲームは有能なコミュニケーションツール!

さて、本題に。教室に訪問すると、すでに本郷高校と湘南白百合学園の生徒さんがグループに分かれて着席して私たちを迎えてくれました。本郷高校の生徒さんはがちがちに緊張されている一方で、湘白の生徒さんは落ち着いている感じ。その対照的な雰囲気がなんともほほえましく思いましたが、ゲームプレイを通して仲良くなれるといいなぁと授業をスタートしました。

最初に生徒さんにアンケートに答えていただきました。やはり予想通り、医師や看護師以外の医療職については知らない生徒さんが多く、患者さんの診療は「医師が中心で行っている」と回答する生徒さんも少なくありませんでした。この事前アンケート、授業が終わった段階でどのくらい変化するでしょうか。

まずは、おしゃべり病理医より、チーム医療についてのプチ講義。そして多職種連携ゲーム「ENT!」の遊び方について少し説明した後、さっそくトライアルでグループごとにプレイしてもらうことに。

せっかくなので、本郷と湘南白百合の生徒さんでペアになって相談しながらゲームを進めることを提案しました。かなり恥ずかしそうにしている生徒さんたち。でも、大丈夫。ゲームは有能なコミュニケーションツールでもあります。

「このカード、使えそうじゃない?」「あ、そうだね」

自然にゲームのルールについて、会話も生まれていきます。これがゲーム学習のねらいのひとつ。ゲームが会話の松葉づえとなって話しやすい雰囲気を作ります。

◆いよいよ、グループ対抗戦、Best of Hosipitalはどのグループに?

20分ほど遊ぶと、ルールも理解し、だいぶほぐれた生徒さんたち。ここでいったん区切って本番スタートです。どのグループがコミュニケーションを円滑にして、たくさんの患者さんを退院させることができるか。グループ対抗戦です!

イベントカードも投入され、「あ、4月の人事異動だって!」「働きすぎて産業医面接~!!」と病院のリアルにも触れながら、ゲームを進めていく生徒さん。会話もどんどん弾んでいきます。

「臨床検査技師さんが必要なひと!」

「はい!私たちの担当患者さん、超音波検査を行うので臨床検査技師さんが必要だよ」

4つの病院のあちこちで、「ENT!(=退院)」という声が響き、時折、拍手や歓声も。

最優秀病院のチームは、なんと「ENT!」に用意されている16名の異なる疾患の患者さんすべてを時間内に退院させるという偉業を達成しました!すごい!!

最後は、医学部教務課の谷口さんから医学部のカリキュラムの紹介があったり、私たちからMEdit Labのご案内や質疑応答の時間を経て終了。

さて、授業後アンケートの結果はいかに?

授業前よりも、様々な医療職種に対する知識が深まったとともに、「チーム医療は患者さん中心である」という回答が増えました!

◆キャリア教育にもとても大切

城北高校からスタートした「ENT!」を活用したチーム医療。やはり医療に興味のある生徒さんであっても多くの医療職種を知らないことがわかってきました。医師や看護師以外に自分の興味や性格にフィットした医療職があるにもかかわらず、知らないから目指すことができないという機会損失があるのではないかということが次第に明らかになっています。

これからは、医学がますます進歩し、医師以外の医療職種の専門性も増すばかり。順天堂大学は現在、医師、看護師、理学療法士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、薬剤師と7つの国家資格の必要な医療職を育成しています。

中高生に対するチーム医療教育が、非常に重要であることを痛感している今年度のMEdit授業です。