おしゃべり病理医と広尾学園とはかれこれ10年以上のおつきあい。これまで乳がんの診断から治療までをディスカッションする超ハイレベルな病理診断セミナーやチーム医療セミナーなどを開催してきました。広尾学園の先生方は、つねに生徒と同じ、あるいはそれ以上の熱意でセミナーに参加され、私たちがセミナーを通して生徒さんに伝えたいことを深く理解してくださって今日にいたります。
MEdit授業のトライアル授業もまっさきに手を挙げてくださったのが広尾学園の先生方。3年目となったMEdit授業は、まさにMEdit授業の理想形として進化しています。
どう理想形なのか?
MEdit授業は、基本的にMEdit Labの動画教材「おしゃべり病理医の MEdit Lab」の2つのシリーズに含まれる様々なワークを基本に組み立てています。本来、この動画教材は、生徒さんが自学自習したり、学校の先生方が授業で活用していただけるように制作をしたものです。
ですが、やはり内容は医学的なものを含むこともあって、なかなか学校の先生が授業に導入されるのは難しく、昨年から、順天堂大学と高大連携協定を結んだ高校でMEdit授業を開催できるようになったものの、基本的にはMEdit Labメンバーのおしゃべり病理医としんしんが授業の進行を進めていくスタイルになっています。
でも、広尾学園は違うのです!まさに、理想の進化形!
すごいところその1.広尾学園の先生がテーマを決めて授業を進める
なんといってもすごいのが、広尾学園の先生がMEdit Lab教材の中から、これぞというものを選んで準備をし、授業を進めておられるところ。基本的にドクターズのおしゃべり病理医やしんしんは、授業を見守り、たまに、補足的な説明をする程度。ゲストというスタンスで参加できるのです!
すごいところその2.基本的には中学生対象!高校生はティーチングアシスタント!
先生もすごいけど、生徒さんもすごい! 広尾学園のMEdit授業は基本的に中学生対象。先日のMEdit授業もほとんど中学1年生ばかり。各グループに高校生のティーチングアシスタントが1名ずつついて、まさに先生のように元気な中学生を優しいまなざしでサポートしながら授業を進めていきます。
◆定番MEdit授業の「ウイルスバトルゲーム」
広尾学園のMEdit授業では、ウイルスバトルゲームが定番です。動画教材の「医学×バイオ」には、ヒト対ウイルスで戦う対戦型のカードゲームがあり、生徒さんはゲームをすることで、ウイルスの生態について、そして、感染対策のポイントについて学んでいきます。
生物の岡田奈智先生が中学生にもわかりやすいようにゲームの説明をしてくださり、ルールを熟知している高校生のティーチングアシスタントが、各グループの対戦を見守る「神様役」としてサポートに入ります。
中学生は、元気いっぱい!数分で会場の生物ラボは賑やかに。すぐにルールを理解し、ゲームに没頭してくれます。
こちらのチームは特別ゲストが参戦。広尾学園OBの順天堂大学浦安病院研修医2年目の桂拓人先生がチームメンバーに。桂先生は、実は10年前におしゃべり病理医の「病理診断セミナー」を受けたことのある大先輩です。今回は、たまたま桂先生がおしゃべり病理医の所属する練馬病院の病理診断科に1カ月研修に来ていたことから、急遽参加してくれたのでした。久しぶりの母校来校で嬉しそうな桂先生です。
こちらも広尾学園OG、順天堂大学医学部2年の品川まゆさん。まゆさんも「病理診断セミナー」のかつての受講生。今は、MEdit Lab学生部のメンバーとして、MEdit授業やワークショップなどお手伝いしてくれている素敵な医学生です。
1時間半くらいゲームで遊ぶと、みんなウイルスのことも感染対策についても詳しくなるばかりか、「このゲーム、まだまだカードの点数は改良の余地があると思う。ウイルスが勝ちやすい状態になっているよ!」と、その理由も添えて私たちにアドバイスをしてくれる生徒さんまで登場します。なんて頼もしいのでしょう!
会の最後は、せっかくなので、研修医の先生や医学生のおふたりにいろんなお話を聞きました(いちばん左側は、まゆさんの同級生で、MEdit Lab学生部の志方直人さん)。
最後は、ティーチングアシスタントのみなさんと先生方を交えて、記念写真をパチリ。
広尾学園のMEdit授業は夏と冬の年2回開催。冬の授業もとても楽しみです!