今回もダジャレスタンプですが、「おつかれさまくろふぁーじ」は、おしゃべり細胞スタンプの看板スタンプです! わたしのいちばんのお気に入り細胞であるマクロファージの魅力をお届けしたいと思います。
このマクロファージ、マンガ『はたらく細胞』を読んで知った方も少なくないのではないでしょうか。このマンガの中では可憐な女の子のキャラクターがマクロファージになっていますね。
マクロファージの意味は、大(macro)食細胞(phage)です。つまり、大きい食細胞、ちょっと言い換えると大食い細胞。カラダの中の様々な「異物」を一心不乱に食べ続ける細胞ですが、異物の大きさや性質によって、自分の細胞の形を臨機応変に変化させることのできる状況対応能力に優れた細胞のためか、昔の研究者たちに、実にたくさんの名前がつけられてきました。見た目の形やいる場所に応じて以下のような異名を持っているのがマクロファージです。
単球、組織球、多核巨細胞、泡沫細胞、類上皮細胞、クッパー細胞、抗原提示細胞…(他にもまだまだ)。
「単球」は、マクロファージが血管の中にいるときの名前です。異物に出会っていないために、何かを食べる前の空腹な状態のマクロファージと呼んでもいいのかも。血管の外に出ると「組織球」と呼ばれます。
多核巨細胞や泡沫細胞は、マクロファージが食べたものによって変身したとき、まさに満腹な状態のときの名前です。多核巨細胞は、何個ものマクロファージが合体した大きな細胞です。なんとマクロファージは、食べる相手が巨大だと、いくつもの細胞が合体するという離れワザを持っているのです。また、泡沫細胞は細胞質が脂まみれになり泡立ったように見える細胞で、クッパー細胞は肝臓に生息するマクロファージくんです(ドイツの解剖学者クッパー先生のお名前から)。
さて、類上皮細胞や抗原提示細胞という名前は?というところですが、マクロファージが特殊な免疫機能のために働いているときの形や機能を指しています。ただし、抗原提示細胞は、マクロファージ以外の「抗原を提示する」すべての細胞を含んでの呼称です(ややこしいですね)。その説明については追々いたしますね。
マクロファージのすごいところは自分が出会った異物の特徴を免疫を担当する他の細胞たちに知らせるパトロール兼司令塔の役目も持っていること。「みんなで戦おうぜ!」とまわりの細胞を鼓舞するリーダー的な素質も持っていて、これまた役割に応じて形も働きも変えてくる変幻自在なマクロファージくん。すごいよ、マクロファージ、えらいぞ、マクロファージ。
ただ、これだけ有能なマクロファージですので、ひとたび狂うとカラダにとってかなりやっかいなことになります。それはまた別の機会でお話したいと思います!
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投稿者プロフィール
- 趣味は読み書き全般、特技はノートづくりと図解。一応、元バレリーナでおしゃべり(おえかき)病理医。モットーはちゃっかり・ついで・おせっかい。エンジニアの夫、医大生の息子、高校生の娘、超天然の母(じゅんちゃん)、そしてまるちゃん(三歳♂・ビション・フリーゼ)の5人+1匹暮らし。
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