す~~~~~~~~っ、・・・・・、はぁぁぁぁぁぁぁぁ~!
深呼吸、していますか? たまには、胸を大きく開いてできるだけたっぷり息を吸い、ゆっくり時間をかけて吐き切る。少しやるだけで、頭がすっきりし、リラックス効果があります。
◆ミクロのぶどうの房
息を吸うと胸が広がっていきますが、この時、肺はどうなっているのでしょうか。
吸い込んだ息は気管を通り、瞬く間に、両方の肺にある約300億個もあるといわれる肺胞に届いていきます。気管の太さは、直径2~2.5cmほどですが、何度も分岐しながら肺胞に到達します。末端の肺胞は、250μm~300μm(1ミリの1/4~1/3くらい)。たくさんのぶどうの房をイメージしてもらえると良いと思うのですが、茎の部分が気管、房の部分が肺胞、実の部分が空洞になっていて空気が入り込む感じです。
息を吸うと、無数のミクロのぶどうの房たちに一斉に空気が入ってぱんぱんになる様子を想像しただけで、人間のからだってすごーい!!って思いませんか??
ちなみに、肺胞の壁、どのくらいの薄さか想像できますか。なんと5μm。すっけすけです。そのすっけすけの壁の向こうには、赤血球が絶え間なく流れていて、その薄い壁ごしで「ガス交換」が行われています。
吸い込んだ新鮮な空気にたくさん含まれる酸素を赤血球に渡し、代わりに二酸化炭素を受け取って、呼気として排出する。そういった私たちの命を支える営みが24時間休むことなく行われているんですねー。肺胞、ありがとう~~~!
そんなすっけすけで繊細な肺胞。タバコがやってきたら、イチコロとは言いませんが、ぼろぼろになってしまいます。それが肺気腫という病気です。肺胞が破けると、肺胞同士がひとかたまりとなって大きな伸び切った風船のようになり、吸い込んだ空気を効果的に吐き出すことができなくなります。壊れた肺胞が集まったエリアは、空気がよどみ、ますます肺胞が傷んでいくことになります。
◆ふだんは下半分しか使っていない?!
ところで、みなさんは肺活量を測ったことがあると思いますが、あの時ばかりは、渾身の力を込めて、息を吸い込み、吐き出しますよね。ふだんはもっともっと浅い呼吸をしていると思います。
実は、ふだん静かにしているとき、ほとんど肺の下半分しか使っていないといわれています。階段や坂道を上るときなど、はぁはぁと息が上がってくると肺全体を使って呼吸します。
肺は、右側が3つ、左側は2つの「葉」という部分に分かれていて、肺がんの手術の場合は、肺がんができてしまった葉をまるごと切除するのが一般的です。右も左も下葉の容積が最も大きく、切除する場合、他の部分より呼吸に与える影響がかなり大きくなります。
ふだんから定期的な運動をしたりすると、肺が鍛えられ、肺活量も増えます。深呼吸もとても良いと思うので、意識して日常に取り入れると良いですね!
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投稿者プロフィール
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- 趣味は読み書き全般、特技はノートづくりと図解。一応、元バレリーナでおしゃべり(おえかき)病理医。モットーはちゃっかり・ついで・おせっかい。エンジニアの夫、医大生の息子、高校生の娘、超天然の母(じゅんちゃん)、そしてまるちゃん(三歳♂・ビション・フリーゼ)の5人+1匹暮らし。
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