夏休み中は「医学に効くほん!」の連載頻度をちょい上げでお届けしたいと思います。
全国学校図書館協議会による「学校読書調査」によると、2024年5月1か月間の平均読書冊数は、小学生は13.8冊、中学生は4.1冊、高校生は1.7冊。そして、不読者(5月1か月間に読んだ本が0冊の児童生徒)の割合は、小学生は8.5%、中学生は23.4%、高校生は48.3%となっているのだとか。
中高時代は、小学生の時よりも難易度の高い本を読める国語力が身につき、本の世界がぐっと広がってくる素敵な時期なのに、SNSをいじる時間が増え、部活や高校・大学受験勉強などが優先されて本を読む時間が極端に少なくなってしまうのでしょう。
きっと大人になると、読書の習慣をつけておけばよかったな~、と後悔される方も少なくないのではと思うので、今日は、本が嫌いな方でも手に取ってもらえそうなキョーレツな本をご用意しました。
◆すべての教養は下ネタに通ず
今日ご紹介する堀元見さんの『読むだけでグングン頭が良くなる 下ネタ大全』の帯には、「すべての教養は下ネタに通ず」という力強いキャッチコピーが載っています。私は、すべての教養は医学に通ずと思って、MEdit Labのコンセプトも「リベラルアーツとしての医学」を謳っているくらいですから、このキャッチコピーにはまったく驚きませんでしたし、むしろよくぞ言い切ったと共感しました。
医学は、当然、人間の体と心全般を扱う学問ですから、みなさんにとって大変身近なものです。医学部で学ぶ専門的な、難しくてカタイ学問という印象は医学のごく一部の見方。下ネタだって扱う学問ですし、医師を志すなら、むしろ下ネタをしっかり医学的に説明できることが重要です。
さらに、医学部に進学したいと思っていないみなさんにこそ、医学にもっと興味をもってほしいと思っていますので、だったら「下ネタ」から入ってみてもぜんぜんいいのではないかと思うのです。
さて、本書。単なる下ネタ本ではありません。力強いキャッチコピー通り、各々の下ネタに対して、徹底的な文献検索がなされています。その検索範囲は、すべての教養と豪語しているくらいですから、医学史にとどまらず、科学全般、宗教、社会史におよびます。時に正岡子規の「おしっこ俳句」など、文学にまで手を伸ばしていて、もうひとつのキャッチコピー「究極の人類史が詰まった下ネタの〈総合知〉がここに」と書かれている通り。著者、堀元さんのリベラルアーツ力の高さがうかがえます。
◆読むだけでグングン頭が良くなるって!
本書は、歴史が嫌いという方にもおススメです。なんといっても下ネタを人類史の観点で解説しているのですから、退屈な歴史の教科書も本書で知ったことを交えれば、少しは面白く思えるかもしれません。
学力とは、つなげる力のこと。学校で学ぶ様々な科目で学んだ知識同士が結びつくこと、日常生活で見聞きするあらゆる情報と勉強していることがつながること・・・。この“つなげる力”があれば、好奇心がわいて勉強も楽しくできます。楽しく勉強できればグングン頭が良くなるわけです。
・コーンフレークは性欲を抑えるために開発された?
・ホモ・サピエンスの陰茎に骨がない理由とは?
・修道女の聖水から生まれた奇跡の薬とは?
上記の問いが気になった方は、ぜひ、本書を手に取ってください。ここで取り上げた問いはごくごく一部。きっとみなさんが気になる下ネタの総合知が見つかるはずです。目次からコーフンして読み進められること間違いなしですよ!
投稿者プロフィール

- 趣味は読み書き全般、特技はノートづくりと図解。一応、元バレリーナでおしゃべり(おえかき)病理医。モットーはちゃっかり・ついで・おせっかい。エンジニアの夫、医大生の息子、高校生の娘、超天然の母(じゅんちゃん)、そしてまるちゃん(三歳♂・ビション・フリーゼ)の5人+1匹暮らし。
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