ろっぷのみなさん、こんにちは!本日も医学部にまつわる素朴な疑問・質問へお答えしたいと思います!
これからも定期的に特集していきたいと思いますので、いつでもメッセージをお願いしますね~(コラム最後に質問フォームとLINE公式アカウントへのリンクがあります♪)。
◆コミュニケーション能力、どう伸ばす?
本日の質問はこちらです!
医師や医療従事者の方は人とのコミュニケーションをとても大切にされると思います。医学部生の方はこれからその将来に向かっていく時に、人と接するときに意識する点や、意識するようになった経験があれば教えてください。(みゅにっくさん)
たしかに、コミュニケーション能力は、とても大事ですね。医師や医療従事者は、言い方を変えれば接客業的な側面もありますから、患者さんの訴えをしっかり受け止められるコミュニケーション能力は必須であるといえます。
今回は、医学部の教育カリキュラムだけに絞ってお答えしたいと思うのですが、正直なところ、医学部のカリキュラムはとてもタイトで、特に病院実習がスタートする医学部4年生以前では、医学知識を学ぶことに重点を置かれているため、コミュニケーション能力を大学の授業の中で育てていく、というのはなかなか難しい状況にあるといえます。そのため、学生個人がそれぞれに独自の経験を通して培っていく必要もあるのかなと思います。
ただ、病院実習がスタートすると患者さんとお話する機会も増えますし、その手前で医療面接(問診)の方法を学ぶOSCEという実習が設定されており、その能力をはかる試験もあります。また、その試験にパスをし、「Student Doctor」にならないと、病院実習に出向くことができません(自動車免許を取得するときに、路上教習の前に仮免許が必要みたいなものです)。
◆OSCEで学ぶ医療面接の方法
医療面接とは、「今日は、どうされましたか?」ではじまる患者さんとの対話のことです。問診ともいいますが、医師としての力量が問われるとても重要なスキルです。話しやすい雰囲気をつくりつつ、患者さんの第一声(「なんとなく具合が悪くて…」といったぼんやりとした訴えもあります)をもとに、対話しながらどんな病気が隠れているか、あらゆる可能性をあぶり出していく会話術です。
実際、OSCEでは、患者さん自身にたくさん話してもらう質問の仕方などを学びます。「はい」「いいえ」で答えられるような“クローズド・クエスチョン”ではなく、患者さんに具体的に話をしてもらえるような“オープン・クエスチョン”で対話を重ねていくような方法が良いとされています。
話の中で、その症状がいつから、どこで、どんなふうに起こっているのか、といった5W1Hの情報や、他に隠れた具合の悪いところやいつもと違うイワカンなどがないかどうか、探っていきます。優れた医師ならあらかたのことを短い時間の中でしっかり聴取して、いくつかの病気の可能性を上げつつ、患者さんと対話しながら次にやるべき検査などを考察していくことができるようになります。
◆人づきあいが苦手でも大丈夫?
このように医療面接は、患者さん向けの対話術なわけですが、同僚である他の医療スタッフとどんなふうに情報を共有し、ディスカッションし、協調できるか、ということも重要なコミュニケーションスキルです。患者さんと話す場合、医師同士が話をする場合、他の職種の医療スタッフと話す場合では、使う言葉を含めて話し方を変えていく必要があります。チーム医療に必要な他の職種との関わり方を学ぶ「多職種連携教育」も最近では医学部をはじめ、様々な医療系学部で学ぶ時間をつくるようになっています。
あとは、部活やサークル活動、あるいはバイトなど、日々の学生生活プラスαの中でコミュニケーション能力を含めた社会性を身につけていくのは、医療系以外の学部生と同様ではないかと思います。
以上、けっこう生真面目にお答えしてしまったように思うのですが、もしも、人づきあいが自分は苦手だから、医療従事者は無理かもしれない、と思う方がおられるとしたら、それだけで諦めてしまうのはもったいないです!
苦手意識があるひとが、コミュニケーション能力が必ずしも低いわけではない、というのが私の見立てです。どちらかというとコミュニケーション能力は、自己を表現する話術よりも、他者の意見にじっくり耳を傾けられるような聞く力がより重要ではないかと思っています。
楽しく話を盛り上げるのが苦手という方でも、静かにじっくり人の話を誠実に聞くことができる人は、患者さんにとってもチームのみんなにとってもとても信頼できる人ではないかと思います!
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投稿者プロフィール

- 趣味は読み書き全般、特技はノートづくりと図解。一応、元バレリーナでおしゃべり(おえかき)病理医。モットーはちゃっかり・ついで・おせっかい。エンジニアの夫、医大生の息子、高校生の娘、超天然の母(じゅんちゃん)、そしてまるちゃん(三歳♂・ビション・フリーゼ)の5人+1匹暮らし。