ミカタの東洋医学
ミカタの東洋医学 COLUMN
2023.02.27
2023.02.27
ニキビの見方
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ニキビは青春の証なんていいますが、痛むし、なんといっても見た目も気になります。わたしも中高生のときにニキビで悩んだ一人です。ニキビと一括りにいっても、よく見ると、人それぞれ違うことに気がつきます。おでこ、こめかみ、頬、あご、口周りと、人によってニキビが出やすいところが決まっているのではないでしょうか。わたしは頬に出来やすく、大きめな赤みを持った、痛みを伴うニキビでした。

東洋医学を勉強し始めたときに、真っ先にニキビに効果のある漢方薬はないかと調べてみると、たくさんの種類があることに驚きました。「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」は、細かくてあまり膿を持っていないニキビに効き、「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」は少し大きめの膿を持っているニキビに効果がある。便秘や冷え症、生理不順、ストレス、イライラなどが伴っているなら「加味逍遙散(かみしょうようさん)」を重ねるのも一手です。その人の状況に応じて、漢方薬を組み立てていきます。

西洋医学では、毛穴の詰まりを改善する薬剤や、ニキビを作る原因になる細菌をやっつける抗菌薬を皮膚に塗り、時には、飲み薬を使ったりします。加えて、早寝早起き、運動、食生活など生活習慣に焦点を当てて指導をしていきます。

生活指導といっても、通り一遍では芸がありません。東洋医学の見方を加えて、ニキビから原因を深掘りしていきましょう。そこで、下の図を見てください。例えば、口周りやおでこのニキビは、甘いもの、辛いもの、脂っこいものを食べすぎたときに現れます。こめかみにニキビが出てくると、生理前だったり、イライラしやすいサインです。体を冷やさず、ストレスを貯めすぎないように、適度に発散していきましょう。頬やあご周りでは、成長期に出やすかったり、または、運動不足など不摂生が蓄積していくと出てきます。中高生では、ホルモンバランスも関係しているので西洋薬や漢方薬を使ったほうが効果が得られると思います。成人では、お薬も使いながらも根本的な運動習慣や食生活の見直しが必要です

ニキビは体調変化を教えてくれています。東洋医学を参考に自分の体の声を良く聞いて、養生してみてくださいね。

投稿者プロフィール

華岡 晃生
華岡 晃生
生まれも育ちも石川県。地域医療に情熱を燃やす若き総合診療医。中国医学にも詳しく、趣味は神社巡りとマルチな好奇心が原動力。東西を結ぶ“エディットドクター”になるべく、編集工学者、松岡正剛氏に師事(髭はまだ早いぞと松岡さんに諭されている)。