2025年7月15日、城北高校でMEdit授業を開催しました。城北高校でMEdit授業を開催するのは今回で3回目。30名弱の生徒さんが集まってくださいました!昨年も参加してくれている生徒さんも数名いらっしゃり、嬉しい限りでした。
さらに嬉しかったのは、初回に私たちの高大連携授業に参加した生徒さんのおひとり(H山くん)が順天堂大学医学部に入学し、今度はティーチングアシスタントとして私たち側の立場でこの授業に参加してくれたことです。飄々とした雰囲気のH山くんですが、待ち合わせの上板橋の駅で聞いてみると久々の母校(凱旋)訪問に、「昨日はわくわくして眠れなかった」とのこと。仲良しのHくん(同じイニシャルでややこしい)と一緒に、午前中の発生学定期試験の後、駆け付けてくれて、しんしんもおしゃべり病理医の私も勇気百倍でした。
勇気百倍というのも、今回、初めて多職種連携ゲーム「ENT!」を授業で試みようとしていたため。生徒さんに楽しんでいただけるか、今後のキャリア選択の参考にしていただけるか、私たちもH山くん以上にわくわくドキドキしていました。
◆チーム医療の重要性を知ってもらいたい
最初に、おしゃべり病理医より「チーム医療」の簡単なレクチャーをしました。さまざまな医療系ドラマでは、ひとりの主人公が大活躍してカッコいい場面が目白押しですが、「わたし失敗しないんで」と言い切ってしまうスタッフは、完全にアブナイ人とみなされます。現実は、医師であろうとひとりの医療従事者ができることはごくごく限られており、様々な職種がひとりの患者さんの医療にかかわっています。
続いて、さっそくしんしんから「多職種連携ゲームENT!」についてのルール説明を行い、試しに実際カードに触ってもらいながら、15分程度グループに分かれて遊んでもらいました。
「多職種連携ゲームENT!」は、自分の担当患者さんに必要な職種を4名集めて、退院させるというゲームです。担当患者さんは実に様々な理由で入院してきます。その内容はかなり専門的ですし、そもそも多くの生徒さんは、医師や看護師以外の職種についてほとんど知らないため、スタッフシートという専門職の一覧とその仕事内容が一望できる参考資料を見ながら、ゲームを進めていきます。
最初は、異学年が混ざってのグループ編成のため、カタイ感じが見受けられたものの、ティーチングアシスタントの医学生や助っ人で入ってくださった城北の先生方のさりげないサポートのおかげでだんだん柔らかい雰囲気に。
スタッフシートを参考にしながら、自分の担当患者さんに必要な医療スタッフは誰?と考えながらゲームを進めていきます。
おしゃべり病理医やしんしんもグループの様子を見ながら歩き回り、質問に答えていきます。
トライアルの時間が終わったところで、全体に補足の説明をし、いよいよ本番です!
◆どこが名病院?グループ対抗の本番スタート!
10名ずつ3グループに分かれてゲームを進める生徒さん。ここから、本番スタート。3つの病院ごとに退院する患者さんの数を競います!どこが名病院として選ばれるのでしょうか。
短い入院期間で患者さんに元気になってもらうには、コミュニケーションを円滑にして、チーム医療を活性化していく必要があります。ここで大活躍するのがカンファレンスというルール。自分の担当患者さんに必要ではない職種をカンファレンスに出し、別の患者さんの診療にあたるペアに譲るというもの。このカンファレンスをたくさん開催することで、今、それぞれがどんな患者さんの診療にあたっているかを理解し、少ない医療スタッフを効率よく配置し、病院全体で円滑な医療を進めていくことができる、というわけです。
生徒さんの表情もだいぶリラックスした気分に。優勝チームにはプレゼントがあるため、がぜん、やる気の出る生徒さん。
城北の先生方が混じるグループでは、前のめりになりすぎて全員立ち上がってプレイ(笑) 距離が近い方が、コミュニケーションしやすいからだとか。なるほど!
その作戦が功を奏して、ベスト・オブ・ホスピタルに選ばれたのは先生がおられるグループに♪ MEdit Lab特製クリアファイルをゲットしました。
◆医学生とのおしゃべり
ゲームで遊んだ後は、医学生に様々な質問ができる座談会に。受験勉強の方法、医学部での生活など、様々な質問が出ていました。爽やかに答える医学生。いつにもましてカッコ良く見えました。
最後に、先生方とパチリ。また、来年も新しい医学ゲームを考案して、MEdit授業に持ってまいりたいと思います。城北高校のみなさま、ありがとうございました!