今日のMEdit Lab細胞スタンプは「教えてあげる~」です!登場している細胞は、ヒトデみたいな形の「樹状細胞 dendritic cell」と、丸くてかわいい「ヘルパーT細胞 helper T cell」のふたり♪
教えてあげているのは樹状細胞くんの方ですが、いったいヘルパーTちゃんに何を教えてあげているのでしょう?
その疑問に答える前に、ふたつの細胞についてご紹介しておきますね。ふたりの共通点は、免疫を担当する役目を持っていること。樹状細胞は、身体のあちこちにいて、病原体が来たら即座に出動できる「警備員」のような役目を担っています。
一方、ヘルパーTちゃんは、リンパ球という細胞の一種です。
生まれたばかりのリンパ球は、ナイーブちゃんという名前で骨髄(骨の中心部にある血液細胞が生まれ育つ場所)や胸腺(心臓の上あたりにあるリンパ球の養成所の臓器)にいますが、そのあと身体のあちこちにあるリンパ球の集合場所であるリンパ節に移動します。そして、いざ病原体の情報がやってくると、ヘルパーだとかキラーだとかいろんな名前を持って、病原体がいる場所に急行します。
そうなんです。樹状細胞くんが教えているのは病原体の情報。
樹状細胞くんは誰よりも速く、身体に害を与えそうな病原体の情報をつかむと、近場のリンパ節にダッシュで向かい、警報を鳴らして寝ているリンパ球を叩き起こします。
樹状細胞くんに病原体の情報を教えてもらい、すっかりオトナになったヘルパーTちゃんは、役割の異なる仲間のリンパ球たちに即座にその情報を伝え、病原体への総攻撃体制を整えるんですね。
免疫が適切に機能するために、樹状細胞くんとヘルパーTちゃんがきちんとコミュニケーションをとることがとっても大切なんですよ!
萩原清文・著 山本一彦・監修『好きになる免疫学』<第2版> 講談社
フクザツな免疫のしくみを、かわいいイラストと軽快な文章で萩原先生が“快説”してくれている良書です!医学部生にもおススメで一般の方も読める医学書。
投稿者プロフィール
- 趣味は読み書き全般、特技はノートづくりと図解。一応、元バレリーナでおしゃべり(おえかき)病理医。モットーはちゃっかり・ついで・おせっかい。エンジニアの夫、医大生の息子、高校生の娘、超天然の母(じゅんちゃん)、そしてまるちゃん(三歳♂・ビション・フリーゼ)の5人+1匹暮らし。
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