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ほっちの救急箱 COLUMN
ほっちの救急箱 COLUMN
2023.06.08
2023.06.08
救急医のウラの顔
◆イメージ通りの救急医?
私たち救急医は(皆さんのイメージ通りに?)救急車で搬送された患者さんの対応を行っています。それだけではなく患者さんが入院したら病棟で治療をしますし、重症であればたくさんの機器をつかって集中治療室で全身状態の管理も行います。
他にも看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士など、院内の様々な職種の方々と協力して感染症/栄養/呼吸のサポートチームを結成しています。感染症サポートチームとは、抗生物質の選択や治療方針などの相談を受けアドバイスをするチームです。栄養サポートチームでは、栄養状態が悪い患者さんに対して、どのような栄養剤をどのように投与していくべきかなどを話し合っていますし、呼吸サポートチームでは呼吸状態の評価を行い、人工呼吸器の設定に関してアドバイスを行ったりしています。このように院内の患者さん全員の治療に携わっています。
2019年より世界中で大流行し社会を一変させてしまった新型コロナウイルスの初期対応では、病気の情報が少なかったために救急医が対応することが多かったように感じます。救急医は普段の診療では前面に出ることは少ないですが、いざ周囲が困ったときに役に立つことができる陰の立役者です。なので私個人としては、救急医はジョーカーのような存在でありたいと思っています。
◆知られざる救急医のウラの顔とは?
病院の外でもウラの顔として色々な活動をしている救急医がいます。スポーツドクターとしてアスリートの国際試合に帯同したり、災害医療における国際緊急援助隊の一員として外国へ派遣されたり、訪問診療医として患者さんの自宅での生活を支えることもあります。
救急医がなぜこういった幅広い分野で活躍できるのかといえば、内科や外科といった区切りなく、様々な訴えに対応する訓練を積んでいるからです。緊急の状況であれば詳細な検査を待つ時間もないために、診察のみで治療方針を決定することもありますが、こういった経験は病院外や災害現場での活動にも活きてきます。
救急外来では診察時間が限られている中で、初対面の患者さんやご家族と信頼関係を構築し、もともとの生活背景なども把握したうえで治療方針を立てます。病気を治す以外に患者さんの周辺にも目を配ることができるようになり、社会的な問題にも介入ができるようになります。
目の前の患者さんを単なる患者としてではなくひとりの人として接することではじめてひとりひとりに最適なサポートを提供することができるのです。その結果として、病院内外を問わず様々な場面で活躍できる救急医が多いのかもしれません。
おまけ:お母さん救急医の活躍 by. おしゃべり病理医
救急医は、最もドクターっぽい活躍ができる専門医だなぁと思います。道端で倒れた方がいたら躊躇なく走り寄り救護に向かうこともできるでしょう(おしゃべり病理医はなかなかそういう勇気はありません)。COVID-19の治療に関してもまさに最前線で活躍していたのが救急医です。とにかくカッコいいですが、タフな仕事であると言わざるをえません。
しかし、Dr. ほっちの上司であるS先生は、「いやいや、おぐら先生、救急医は病理医と同じくらいお母さんになってもやれる専門医です。オンとオフがはっきりしているところは病理医以上かもしれませんよ。小さなお子さんがいて当直ができないお母さん救急医は、昼間に大活躍してくれています。夜中に救急車で運ばれ、集中治療室に入った患者さんの診療を滞りなく進めてくれるのはベテラン女性救急医であることも少なくありません」とのこと。なるほど!
私も救急医になってみたかったなぁと思いつつも(おしゃべり病理医はミーハーなのです)、やっぱり病気を直接この目で観察して最終診断を下せる病理医の仕事だってやりがいがあるし、面白いぞ~と今日も顕微鏡世界に入り込むおしゃべり病理医です。
投稿者プロフィール
- 分析力と論理的思考力に優れる頭脳派救急医。しんしんの同級生で夫である。リーダーシップがある兄貴気質で研修医時代は「レジ代表」を務めみんなをまとめた(しんしんという内助の功があったのはたしか)。
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