ミカタの東洋医学
ミカタの東洋医学 COLUMN
2022.11.09
2022.11.09
ミカタの東洋医学のミカタ
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学校に行こうとしたら、お腹が痛くなったり頭が重くなったりする。そんな経験をしたことがある人は少なくないはず。なぜ、お腹や頭が痛くなるのでしょう。西洋医学では、慢性連日性頭痛とか、起立性調節障害、過敏性腸症候群など色んな病名が考えられます。毎日のように頭が痛くなる病気なんだなとか、腸が過敏になって大変そうとか、病名から想像はできますが、いったいこれらの病気の原因はどこにあるのでしょう?
答えは、「自律神経系」に原因があるのではないかと言われています。交感神経や副交感神経という名前は聞いたことがありますか。自律神経系はこれら2つの神経を組み合わせたものです。昼間や活動しているときに活発になるのが交感神経で、夜間やリラックスしているときに活発になるのが副交感神経です。これらのバランスが崩れて起こってくる病気が慢性連日性頭痛や起立性調節障害、過敏性腸症候群なんですね。
不思議なもので、同じ自律神経系の異常でも、人によっては頭が痛くなったり、めまいがしたり、下痢や便秘が収まらなくなったりと症状が異なってきます。それも、一人一人きっかけとなる出来事も違います。学校、部活、友人関係、受験勉強、家族など、日常のストレスが引き金となります。原因が複雑に絡み合ってぼんやりとしているので、治療も根本にアプローチするよりも症状ごとに対処するのが限界です。
自律神経系を理解することの難しさは、ココロとカラダを分けて捉えようとした西洋医学の見方に実は問題があります。例えば、好きな人に突然廊下で出会ったときに胸がいっぱいになる感覚を西洋医学で説明するのはかなりやっかいなんです。ここで、登場するのが「ミカタの東洋医学」です。東洋医学を「味方」にしていくと、ココロとカラダを繋げた「見方」を借りることができるのです。
これからのコラムでは、東洋医学の「見方」を切り口に、科学以前に発達した昔の人達が築き上げた知恵を味わってもらえたらよいなと考えています。

投稿者プロフィール

華岡 晃生
華岡 晃生
生まれも育ちも石川県。地域医療に情熱を燃やす若き総合診療医。中国医学にも詳しく、趣味は神社巡りとマルチな好奇心が原動力。東西を結ぶ“エディットドクター”になるべく、編集工学者、松岡正剛氏に師事(髭はまだ早いぞと松岡さんに諭されている)。