いきなり“おやじギャグ的ダジャレ”スタンプからのご紹介となってしまいました。第1回目は、「ごめんなさいけつ」。採血を失敗した時の気持ちを表現してみました。
採血は、血液検査のために血管に針を刺して血液を採取することを言います。大きく動脈血採血、静脈血採血、毛細血管採血の3つに分けられますが、みなさんがイメージしやすい、肘の内側の浮き出た血管に針を刺すのは、静脈血採血です。上腕をゴムバンドなどで少ししばって、針を斜めから刺します。健康診断で行われるような血液検査は、静脈血を採取して行われます。動脈はもっと深い部分にあるので、動脈血採血の場合、針をまっすぐ垂直におろす感じで刺すことになります。毛細血管採血の場合は、耳たぶだとか、生まれたての赤ちゃんのかかとなどからわずかな血液を採取し、限られた検査項目のために行われるものです。
さて、これまでに「あ、血管が逃げちゃった」とか、「血管細いですね~」とか言われながら、採血を失敗されちゃった経験がお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。つらいですよね。
ここで唐突ですが問題です。私の病院では1日に数百人の患者さんが採血されていますが、いちばん採血がうまいのは誰でしょうか?
答えは、ドクターでもナースでもなく、臨床検査技師さん!ドクターは案外、採血する機会はいちばん少ないかもしれません。私は学生の時に、病院実習で友達同士、採血しあいましたが、気づいたら針が抜けちゃったりして友達の腕を血まみれにし、「凄惨な現場になったな」と指導医の先生に苦笑いされた経験もあります(笑)。
私の病院の臨床検査技師さんは、半日で数十人の患者さんの採血を行うことは日常茶飯事。抗がん剤治療中だったり糖尿病の患者さんなどは、血管が非常に硬くてもろくなっている場合も少なくありません。ベテランの臨床検査技師さんは、瞬時に血管の走行や弾力の具合を見極め、優しく血管を押さえながらも、すぱっと一気に狙い撃ち、見事に採血を成功させます。まさに職人技です♪ ゴムバンドをぎゅうぎゅう締め上げる人や、採血部をたたいたりする人ほど、採血はうまくないような気がします。患者さんをリラックスさせながら、なるべく短時間で痛みが少ないように採血するのが大事。
いつも技師さんの手慣れた動きを見事だなぁと感心しながら、健康診断の時は安心して技師さんに腕をまかせるおしゃべり病理医です。
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投稿者プロフィール
- 趣味は読み書き全般、特技はノートづくりと図解。一応、元バレリーナでおしゃべり(おえかき)病理医。モットーはちゃっかり・ついで・おせっかい。エンジニアの夫、医大生の息子、高校生の娘、超天然の母(じゅんちゃん)、そしてまるちゃん(三歳♂・ビション・フリーゼ)の5人+1匹暮らし。
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