「ごめんなさいけつ」に続き、今回もおやじのダジャレ、かつごめんなさいでごめんなさい(笑)。第2回目は、「ごめんえきさいぼう」の解説です。
「免疫」という言葉は、特にCOVID-19のパンデミックが起こってから、ニュースでもよく聞くようになりましたね。毎年受験シーズンになると、免疫力をつける乳酸菌入りヨーグルトがたくさん売れたりしますが、「免疫力アップ」って、実はとてもふわっとしている言葉で、免疫力というものを科学的に解明するのは極めて難しいと思います。
それはなぜか。免疫機能の全体像がまだまだ解明しきれていないからです。免疫は、自然免疫と獲得免疫と大きく二つに大別されますが、両者の機能は複雑に関係しあい、互いに調整したりされたりしながらカラダを健康な状態に保持しています。自分の身体を免疫細胞が攻撃するようになっては困りますし(これを自己免疫疾患とか、膠原病と呼びます)、ひとつの免疫細胞だけが元気になったからといって、免疫力がアップしたとは言えないのです。
さて、今回のスタンプは「免疫細胞ちゃん、ごめんね」という意味あいで描きました。病原体にまみれた3種類の免疫細胞が登場しています。左からリンパ球・樹状細胞・好中球で、免疫機能に必須な代表的細胞たちです。細胞は核と細胞質で構成されていますが、これら3つの細胞は、いずれも特徴的なカタチをしており、3つ並べてその違いがはっきりわかるように描いてみました。
形が全く異なるということは、働きもやっぱり全然違うんですね。リンパ球は、主に獲得免疫を担当する免疫細胞の代表例であり、好中球は自然免疫の代表、そして、樹状細胞は、自然免疫から獲得免疫へと橋渡しをする役目を担う細胞です。
「自然免疫」というのは、外から侵入してきた自分とは異なる“異物=非自己”に対して無差別に攻撃をする機能のことで、「獲得免疫」は、特定の異物に対して、迅速に狙い撃ちする免疫のことを言います。どちらも免疫機能には必須の過程です。
好中球は、異物をもぐもぐと食べて自分の細胞質の中で消化する働きがあります。一方、リンパ球は、特定の異物にヒットする抗体を作ったり、異物に占拠されダメージを受けている細胞に、自殺(アポトーシスといいます)をうながす機能があります。いずれも自然免疫、獲得免疫それぞれの機能を全うするためにまさに“全身全霊”をかけている細胞たちです。
樹状細胞については、また別のスタンプで説明しますね!
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投稿者プロフィール
- 趣味は読み書き全般、特技はノートづくりと図解。一応、元バレリーナでおしゃべり(おえかき)病理医。モットーはちゃっかり・ついで・おせっかい。エンジニアの夫、医大生の息子、高校生の娘、超天然の母(じゅんちゃん)、そしてまるちゃん(三歳♂・ビション・フリーゼ)の5人+1匹暮らし。
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