診療すごろく COLUMN
医師の仕事というとどんなイメージが浮かびますか? 近所の診療所の先生、手術をする外科医、島で自転車にのる往診医、走ってドクターヘリに乗り込む救急医、あるいは山中伸弥先生のように研究者が浮かぶ方もいるかもしれません。一言に医師といっても、働き方は人それぞれで多種多様な道があります。
そもそも医師とはなんでしょう? Googleなどで調べるとたくさんの解説サイトがでてきますが、実はその答えは法律の中にあります! その名もそのまま「医師法」という法律があるのです。医師になるにはどうしたらいいか、何をできるのか、何をしてはいけないかなどが書かれています。たとえば、患者さんを診たらカルテを書かないといけない、診察をしないで薬を出してはいけないといった内容です。
医師法は「医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」という一文からはじまっています。医療を行う、つまり患者さんを診るというのももちろん大切な仕事のひとつですが、健康な生活を支えるにはそれだけでは足りないんですね。研究によって病気のなりたちや新しい治療方法を見つけること、保健所のトップとして地域医療を考えること、医系技官として日本全体の医療を考える、なんていうことも重要なミッションなのです。
さらに、医師という仕事のおもしろいところは、どれかひとつだけを選ぶ必要がないところです。もちろん診療だけあるいは研究だけを極める!というのもひとつの道ですが、診療をしながら研究をする医師は数多くいます。特に私のいる大学病院では診療をする病院と研究や学生教育を行う大学が一体となっているので、臨床医であると同時に研究者にも教員にもなることができます。一般的には兼業のイメージがない国家公務員である医系技官も病院で働くことが可能なのです!
今回は医師について法律からのぞいてみました。医療に関する法律は他にもたくさんあり、医師として仕事するにあたっては重要なものばかりです。今はインターネットで全文を読むことができる時代なので、気になった方はぜひ原本もごらんくださいね。
医師法はこちらから。
投稿者プロフィール
- 全方位に目があるんじゃないかという細やかな気配りのできる逸材。寛大で誠実、緻密な仕事ができるのに人に優しい。病理医とSTEAM教育研究者の二足の草鞋を履くお母さん。愛くるしいパンダに似ているのであだ名は「しんしん」。
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