ほとんどの高校生は、2年生の時に「文系か理系か」の選択を迫られ、授業内容も大学受験対策モードに舵を切られるのが通例になってしまっていますが、みなさんもそう(だった)でしょうか。特に理系コースに進むとまともに日本史や世界史を学ぶ機会がなくなり、大人になってからもうちょっとちゃんと歴史を勉強しておけばよかったなぁと思うことも少なくありません。
そんなみなさまに朗報です!ぱぱっと歴史を効率的に勉強したいあなたにも、大学で深く学びたいという歴男、歴女の面々も、大人になって歴史の知識が壊滅的だなと思っているオトナのみなさまにも、この本があれば、ダイジョウブ、という本を今回は紹介します。
じゃじゃーん! その名も『情報の歴史21』。昨年末に電子版も登場し、お手持ちのiPadなどにも入れられさらに便利になりました。
この本はオール年表になっているのですが、これがすごい。人類誕生以前のBC6000年以前から2021年までの世界史が網羅されており、1900年以降、2020年(pdf版では2021年)までは見開きで1年分となり、日本と世界の歴史がぱっと一望できる年表になっているんですよー。
2020年のダブルページ。新型コロナウイルスからあつ森まで、縦に年表を貫くキーワードが2020年の特徴を際立たせている。
この年表の仕組みがまた、非常にユニーク。国や地域ごとに分けられているのがふつうの年表のつくりですが、この本は違うんです。その年ごとに、独自のテーマで分けられた5つのトラックごとに歴象データが分類され、大きな出来事は、縦書きの見出しとしてバーンと表示されています。何度眺めてもその都度発見のあるつくりになっています。
私は、自宅に2冊、職場に1冊、pdf版を1冊と計4冊も所有していて、いつでもどこでも辞書代わりに開けるようにしています。たまに自分の生まれ年、医学部卒業年、子ども達の誕生年など、節目となる年にいったい何があったのか眺めてみるのも楽しいです。
おしゃべり病理医自宅本棚のひとつ
2023年に成人を迎えるひとの誕生年(2003年)。イラク戦争、SARS、バンクシー、朝青龍、ブログetc. 20年前なのか!と驚く出来事の数々。
「ドラえもん」「SARSパンデミック」「ファイナル・ファンタジー」「冬のソナタ」「9.11」等々。社会的な大事件からサブカルまで、pdf版になってからは、どんな単語でも検索できますし、自分で年表をカスタマイズできるようにもなりました。世の中のあらゆる出来事にはつねに歴史的背景があり、他の出来事と密接に関連しています。基礎学力や教養をつけるうえでひとりに1冊は持っていてほしい本です。
私が3冊+電子版1冊を持っているのは理由があります。実は、ちょっとだけ本書製作のお手伝いをしていたのです。
この本は、1996年3月にNTT出版株式会社から『増補 情報の歴史』として出版されたものの改訂版で、1989年(平成元年)以降、つまり平成史と令和数年分が新たに追加されたものなのです。私は、平成~令和にかけての医学・医療・バイオのデータ集めを担当しました。だいたい1年間に最低20のデータを集めるようにしたため、約30年分となると集めたデータは700近くに。ここから編纂チームがテーマごとにデータを厳選し、年ごとに分類し、年表を作り上げていったという一大プロジェクトだったのでした。
この本の製作に関われたのは誇りであり、この本の素晴らしさを広く知ってもらう活動をすることも使命だと思ったりしています。本書を活用したら歴史の授業ももっと魅力的になると思うので、いずれ色々なイベントなども考えたいと思っています! お楽しみに~。
『情報の歴史21』電子版 購入サイト→こちら
他、紙の本は、Amazonでも購入できます。
投稿者プロフィール
- 趣味は読み書き全般、特技はノートづくりと図解。一応、元バレリーナでおしゃべり(おえかき)病理医。モットーはちゃっかり・ついで・おせっかい。エンジニアの夫、医大生の息子、高校生の娘、超天然の母(じゅんちゃん)、そしてまるちゃん(三歳♂・ビション・フリーゼ)の5人+1匹暮らし。
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