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2024.08.22
2024.08.22
レア専門医、小児外科医と病理医のコラボ@洛星学園医学の授業
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今年度、おしゃべり病理医としんしんは、精力的に東京都内の私立高校を中心にMEdit授業と銘打った出前授業に出かけていますが、ついに京都進出!ということで、7月26日、京都の名門男子校、洛星学園にお邪魔してきました。

洛星学園の正面玄関・重厚な石造りの建物が由緒正しい伝統校らしい

今回は、MEdit授業以外にレジェンドドクターの講演や順天堂大学の紹介などを盛り込み、医学と順天堂大学の魅力をたっぷり洛星学園の生徒さんに知っていただくプログラムをご用意しました。そして、小児外科医と病理医のレア専門医コラボが実現したのでした!

レジェンドドクターとして登場したのは、関西医科大学の小児外科教授、土井崇先生。おしゃべり病理医とは順天堂大学医学部時代の同期です。今から7年前、同期最年少で教授になった土井先生を同窓会を兼ねて同期みんなでお祝いした懐かしい思い出があります。

若い医局員をしたがえてこれからますます関西地方の小児外科診療を支えていくべく成長する同期の姿は、おしゃべり病理医にとってもまぶしいもの。今回の講演もとても楽しみにしていました。

◆外科医の4%?

さて、みなさんは小児外科医の存在を知っていましたか?外科の専門医は、日本に2万人ちょっとおられますが、小児外科医はその中でも765名。外科医の4%にも満たない、ものすごく希少な専門医なんです。

医学分野における小児の定義は、生まれたばかりの赤ちゃんである(正確にいうと生後28日までの)新生児から15歳(中学3年生)までをいいます。みなさんも中学生までは小児科を受診されることが多かったのではないかと思います。

小児の医療で特徴的なことは、成長過程にある人間を専門にするということ。乳児と幼稚園児とでは、幼稚園児と中学生とでは、身体の機能も大きさもまるで異なります。成長期の子どものその都度の特性を理解しながら、病気の治療を行う必要があります。

小児外科医は、脳、眼、そして心臓の病気以外のありとあらゆる疾患の手術を担当します。大人の外科では、食道、胃、大腸、肝臓、膵臓、肺、というように臓器別に専門が分かれますが、小児外科医はあらゆる臓器の疾患に対して横断的に対応するため、各臓器の解剖的な位置関係やその機能などを深く理解している必要があります。さらに、生まれたばかりの赤ちゃんの手術となれば、お腹の大きさ自体が数センチととても小さいため、繊細な手技が要求されます。

生まれたばかりの赤ちゃんの小ささを説明する土井先生。自分の手のひらを眺めてその手術の繊細さに溜息をもらす生徒さんたち

◆神様の仕事への挑戦?

順天堂大学の小児外科学講座は、日本で最も歴史が古く、神の手と言われるレジェンド外科医が数多くおられます。土井先生も、関西医科大学の教授になるまで、順天堂大学で研鑽を積んできました。

MEdit Labの医学教材に登場されている山髙篤行先生も、おしゃべり病理医としんしんが勤務する順天堂大学練馬病院の院長、浦尾正彦先生、そして、名誉院長の宮野武先生も小児外科医。先生方は、異口同音に「僕たち小児外科医の仕事は、神様が忙しすぎてやり残してしまったことに対する挑戦です」とおっしゃいます。

生まれつき内臓の位置や形など形態が異常な状態で生まれてきた赤ちゃん。命の危機にさらされる赤ちゃんをなんとか健やかな状態に戻してあげたい。それは神様の仕事への挑戦といっても過言ではありません。患者さんのこれから何十年も続く未来に想いを馳せて小児外科医は毎日メスを握っています。

ところで、そんな素晴らしい小児外科医の先生方のサポートするのも病理医の私たちの役目のひとつ、だったりするんですね!

小児外科の手術においても、術中迅速病理診断を行うことで、手術を成功へと導くお手伝いをしたり、病理診断を通してその後の患者さんの診療方針を立てるヒントとして役立ててもらっています。

たまにはこのようにレアな専門医がコラボして、それぞれの魅力をこれから医学を志す若い方に発信していくことも重要だと思っています!

これからも順天堂大学の高大連携イベントとMEdit Labの医学教育にご注目ください!

◆参考URL

高大連携|順天堂大学 (juntendo.ac.jp)

洛星中学・高等学校×順天堂大学 高大連携イベント開催! -本物に触れる機会を。高校生向け医学授業- | 学校法人ヴィアトール学園 洛星中学校 洛星高等学校 (rakusei.ac.jp)

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