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COLUMN
2026.08.13
2026.08.13
有事に向けて備えは万全!「災害拠点病院」は、ここがスゴイ!
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先月28日に熊本県を震源地とするマグニチュード7.1の地震が発生し、熊本県宇城市氷川町では最大震度7の強い揺れが観測されました。被災されました方々に心よりお見舞いを申し上げます。

〇練馬病院の防災対策

熊本県八代市にある熊本総合病院が、地震が発生したときの手術室の様子を公開しました。手術台や麻酔器などの大きな器械が揺れ動く中で、とっさに患者さんを守る医療者の姿は同業者ながら素晴らしいと思います。手術室や集中治療室の患者さんでは少しの時間も医療を止めることができない方がいらっしゃいます。そのためいつ起きるかわからない地震に対し、病院も様々な備えを行っています。

私が勤める順天堂大学医学部附属練馬病院は、東京都の災害拠点病院に指定されています。災害拠点病院とは、24時間いつでも災害に対する緊急対応ができ、災害発生時には重症患者の受け入れ拠点となる病院です。1995年におきた阪神淡路大震災をきっかけに、全国で整備がされました。

今回は災害拠点病院である練馬病院が行っている備えをご紹介します!

①免震構造を採用
2005年に開院した練馬病院は、開院時から災害対策のため、免震構造を採用しています。建物の下にある免震装置が地面の揺れを吸収することで、建物が崩れることを防ぐだけでなく、建物自体揺れを少なくすることができます。実際、自分が病院にいる時に地震がくると、免振装置の「ミシッミシッ」というような音が鳴るくらいで、揺れを感じることは非常に少ないです。2011年の東日本大震災で練馬地区は震度5弱の揺れがありましたが、院内でもほとんど物が倒れることはなかったそうです。

②非常用発電機を設置
停電した時にも、病院が止まることのないように発電機と燃料となる重油の貯留を行なっています。さらに、手術室や集中治療室など一瞬たりとも電気が止まってはいけないところには、非常用バッテリーを設置しています。病院の機器は、普段から場所や目的によって電源の必要度を細かくわけて、災害時にどこに優先的に電源を送るかを決めています。

③病院から近くの避難所・救護所にも電気を送れる
練馬病院では都市ガスを燃料として発電するシステムも導入しています。このシステムでは、停電発生時に練馬病院だけでなく、近くの避難所にも電力を送ることができます。練馬区とともに、このようなシステムを導入したのは都内の自治体では初めてで、2022年のコージェネ大賞で民生用部門優秀賞を受賞しました。

④水と食料を備蓄
水と食料は3日分を備蓄し、災害が発生した際にはどのように輸送して使用するかの話し合いも行われています。さらに、薬剤科では備蓄薬品も整備しています。

そのほかにも、災害時には普段受付や会計に使われているフロアを利用して、多くの患者さんがいらしても混乱せず受け入れることができるよう準備しています。院内スタッフ全員が災害時のレクチャーを受けたり、防災訓練も行っています。練馬区内の他の病院や消防機関とともに定期的に防災会議にも参加しています。

〇DMATにも参画
先日の「てゆーか医学」でも少し話題になっていましたが、練馬病院はDMATにも参画しています。DMATとは、disaster medical assistance team(災害救援医療チーム)の略で、災害拠点病院と同じく、阪神淡路大震災をきっかけとして2005年に創設されました。阪神淡路大震災では、ケガをした方が多くいた中で、病院自体の被災し、医療従事者が確保できなかったために、十分な医療を受けられないことによってなくなる方が多かったこと、いわゆる「防ぎえた災害死」が大きな問題となりました。

そこで、DMATでは専門的な研修・訓練を受けた方が登録し、災害発生直後の48時間以内に活動が開始できるよう備えています。DMATには医師と看護師に加え、業務調整員といわれるスタッフがチームを組んで活動しています。診療の支援だけでなく、情報収集や搬送支援など状況に応じて活動を行います。練馬病院も2016年の熊本地震、2024年の能登半島地震などでDMATチームを派遣しています。今回の熊本地震でも、8月1日に第1班となるDMATコーディネーションチームとして、薬剤師を含む業務調整員2名が練馬病院から派遣されました。

災害拠点病院として、院内や練馬区内だけでなく、国内の災害医療に貢献できるよう準備しています。

〇しんしんの防災対策
私も練馬病院に勤めだしたときから、地震のあとの行動がひとつ変わりました。それは地震速報の見方です。
マグニチュードや最大深度、津波の有無、自分がいる場所の震度とともに、必ず「練馬地区の震度」を確認するようになりました。なぜならば、練馬病院の職員は「練馬地区で震度5強以上」の地震がおきたときには「全職員参集」が決められているからです!

そして、病院にくる時には3日分の食料と水、着替えを持ってくるよう言われています。病院の備蓄の食料だけではとても職員全員分をまかなうことが難しいからです。3日分ともなると重さもあるので、病院まで運ぶにはリュックが必要です。私は強い近視があり、メガネがないと何もできないので、予備のメガネも入れています。家のどこに置いておけばすぐに取り出せるのか?などを家族とも相談して準備しています。

 

地震が起きた時、自分はどんな行動をしたらいいのだろう?——学生のみなさんは避難訓練で、学校なら教室では机の下にもぐって静かに放送を聞く、防災頭巾をかぶって一列で避難するという流れが身についていると思います。さらに一歩進んで、家の中だったら?通学の途中だったら?など、いろいろなシチュエーションで考えみるといかがでしょうか。意外とお家のどこに防災グッズがあるか、知らないこともあるかもしれません。

私も今回改めて調べて、家の備えを買い足さねばと考えておりました。私がみた参考ホームページもお載せします。いつもよりおうちにいる時間が長い夏休み、ご家族と一緒に考えてみていただけたら嬉しいです。

 

参考リンク

・東京備蓄ナビ:https://www.bichiku.metro.tokyo.lg.jp/

・首相官邸:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html

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投稿者プロフィール

發知 詩織
發知 詩織
全方位に目があるんじゃないかという細やかな気配りのできる逸材。寛大で誠実、緻密な仕事ができるのに人に優しい。病理医とSTEAM教育研究者の二足の草鞋を履くお母さん。愛くるしいパンダに似ているのであだ名は「しんしん」。