みなさん、こんにちは。臨床検査技師の西岡 夢実です!
臨床検査は大きく分けると、検体検査と生理機能検査に分かれます。
検体検査の「検体」は、試料やサンプルのことを意味します。血液や尿、便、皮膚、臓器や骨など、みなさんの身体を構成する全てが対象といっても過言ではないほど、多岐にわたります。(爪が検体として届くこともありますよ)。患者さんから採取された検体を、様々な方法で調べ、結果を報告するのが検体検査です。採取された時点の患者さんの状態はもちろんのこと、方法によっては1か月以上前からの数値を平均した結果も反映します。おしゃべり病理医ことおぐら先生のお言葉を借りると、“過去”の状態を調べる検査です。
一方で生理機能検査の「生理機能」は、「身体の機能」と言い換えることができます。呼吸や血液の循環、神経の伝達など、私たちの身体は生きるための機能がたくさん備わっています。その機能が正常に動作しているのか?という、患者さんの“今”の状態を調べるのが生理機能検査です。つまり、臨床検査とは、患者さんの過去と今現在の状態を調べて、未来を予測するものである、と言えます。
学校で習う科目として分けていくと、検体検査は生化学検査、血液検査、免疫検査、一般検査、微生物(細菌)検査、輸血検査、病理検査、遺伝子検査と分かれ、生理機能検査には超音波検査、呼吸機能検査、脳波検査や健康診断で馴染みのある心電図検査や聴力検査などが含まれます。
こうして並べると、検査と一括りに言ってもたくさんの種類がありますね!病院内で働くスタッフの間でも、各検査室内でどんな検査が行われているのか、この検査結果はどこの検査室が報告したものなのか、その詳細は意外と知られていませんが、実はそれぞれの分野ごとで、専門知識が豊富な検査技師が担当しているのです。
私たち臨床検査技師は、3〜4年かけて学校で専門知識を学び、病院実習を経て国家試験を受験します。晴れて合格し、病院に就職をした技師は、どの検査室に配属になるのかハラハラドキドキの試用期間を過ごします。そして、配属された検査室ではスペシャリストを目指して、専門的な資格の取得や、応用的な技術の習得に日々励みます。
私も、憧れていた病理検査室に配属が決まった時はとても嬉しかったです。レジェンド級の先輩たちの知識や技術を受け継ぎ、そしていつかは自らもレジェンドとなれる日を夢みて、奮闘する日々を過ごしています!
投稿者プロフィール
- 看護師の姉を追うように医療の世界へ。臨床検査技師国家試験合格後に、緊急検査士、細胞検査士と、専門を極めていくド根性ぶりとふわっとした雰囲気がギャップ萌え。好きなことは映画鑑賞とガチャガチャ。
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