診療すごろく COLUMN
こんにちは、しんしんです。私は今、順天堂大学医学部の附属病院で働いています。いわゆる大学病院といわれるところですが、みなさんは大学病院と聞いた時に、どんなイメージを浮かべるでしょうか?
私自身は学生時代、身近に医療関係者がいなかったですし、近所のお医者さんしか見たことがありませんでした。ですから、私にとっての大学病院のイメージは、ほぼ、ドラマ『白い巨塔』(唐沢寿明さんver.)からきていました!!
「財前教授の総回診です」というアナウンスの後に、厳かな音楽と共に現れる医師の行列…。そんなイメージで順天堂の門を叩いた高校生の私は、教授とは近寄りがたいコワイ存在なのだろうなと思っておりました。しかし、そんなことはありませんでした。たしかに技術や知識の面では雲の上のような先生方ですが、学生や若手の医師には温かく指導してくださいますし、患者さんには優しい方ばかりです。(MEditLabの教材にも順天堂大学教授の先生方が出演しています。診療中とは一味ちがう山髙先生や堀江先生のお顔も見られるのでぜひ!)教授回診は実際にあるのですが、「○○教授のおな~り~!」というような院内アナウンスもBGMももちろんなく、地味に淡々と行われています。
というわけで、物語と現実にはだいぶ大きなギャップがあるのですが、このドラマ(原作は、山崎豊子さんの小説ですが)のタイトルで大学病院が“巨塔”と一言で表されているのが見事だと個人的には思います。
順天堂の附属病院で最も大きいのが御茶ノ水にある順天堂医院ですが、ここには一度に1051人が入院できるお部屋があり、さらに1日で平均3500人、年間で98万人を超える患者さんが外来に訪れます。これだけの患者さんに対応するため、スタッフの数も2500人を超える大所帯です(まさに巨塔…!)。医師以外にも看護師・薬剤師・臨床検査技師・診療放射線技師・理学療法士などたくさんの専門職が含まれ、効率よく診療が行えるようにセクション分けされています。しかし、それゆえに患者さんの視点にたってみると、スタンプラリーのように指示された場所をまわるのに精一杯で、自分が何に向けてどんな検査や治療を受けているのかがわかにくいことも多いと思います。
そこで、このコラムでは「診療すごろく」と題し、すごろくのコマを辿りながら病院のこと、検査のこと、それに関わる専門職に関してご紹介していきます。みなさんが大学病院に受診された際のご参考になればいいなと思っています。しんしんと共に白い巨塔をめぐる旅に出発しましょう!
投稿者プロフィール
- 全方位に目があるんじゃないかという細やかな気配りのできる逸材。寛大で誠実、緻密な仕事ができるのに人に優しい。病理医とSTEAM教育研究者の二足の草鞋を履くお母さん。愛くるしいパンダに似ているのであだ名は「しんしん」。
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