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COLUMN
2026.09.21
2026.09.21
#025 アキレス腱はなぜアキレス腱なのか? そもそも私たちはなぜ「名づけ」るのか?【人生いりょいりょ】
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MEditLabのポッドキャスト番組「てゆーか医学」の第25回放送は、医療に関わるさまざまな人の人生に迫る「人生いりょいりょ」をお届けします。

今回もゲストは、順天堂大学医学部医史学研究室の澤井直先生。前回は、京都大学文学部で科学史を学んだ澤井先生が、なぜ順天堂大学の解剖学教室へ入り、解剖実習を担当することになったのか。その珍しすぎるキャリアを伺いました。

今回の入口は、誰もが一度は聞いたことのある身体の名前――「アキレス腱」です。

そもそも、なぜアキレス腱は「アキレス腱」と呼ばれているのでしょうか?

ギリシャ神話の英雄アキレスには、「母親が不死の身体にするため、赤ん坊のアキレスの踵をつかんで冥界の川ステュクスに浸したため、踵だけが弱点として残った」という有名な物語があります。ところが澤井先生が、16世紀以降の医学書をモーラ的にさかのぼって調べてみると、現在広く知られている説明とは異なる「アキレスと腱」をめぐる物語が浮かび上がってきました。

ラテン語、フランス語、ドイツ語、オランダ語、イタリア語、スペイン語……。古い医学書を追いかけながら、一つの解剖学用語がいつ、どこで、どのように生まれ、定着していったのかを探っていく。そこには「名前」を手がかりに医学の歴史を読み解く、医史学ならではの面白さがあります。

そして話は、アキレス腱だけにとどまりません。

なぜ「筋肉A」「筋肉B」ではいけないのか。胸鎖乳突筋や蝶形骨は、なぜそんな名前なのか。『解体新書』の時代、日本には存在しなかった西洋医学の概念を、杉田玄白たちはどうやって日本語にしたのか。

私たちは世界を理解するために、ものを分け、特徴を見つけ、名前をつけています。では、「名づける」とはいったいどういうことなのでしょうか。

おしゃべりの内容は、

・解剖学教室から、たった一人の医史学研究室へ
・筋肉A、筋肉Bではなぜダメなのか――解剖学用語の命名史
・『解体新書』の「神経」――医学用語は誰がつくったのか
・アキレス腱は、なぜ「アキレス腱」なのか?
・16世紀以降の医学書から「名前」の起源を追いかける
・古い医学書をAIで読む――医史学研究はどう変わる?
・ガレノスとヴェサリウス――「正しい/間違い」では語れない医学史
・知識がなければ、目の前にあるものさえ「見えない」
・医療プロフェッショナリズムと「医療倫理」は、もともと一つだった?

などなど。

アキレス腱という一つの名前から始まり、解剖学用語、『解体新書』、ガレノス、ヴェサリウス、さらには「見ること」「知ること」の問題へ。

名前とは、単なるラベルではありません。何かに名前を与えることは、世界の中から特徴を取り出し、区別し、認識できるものにしていくことでもあります。

アキレス腱は、なぜアキレス腱なのか?
そもそも私たちは、なぜものに名前をつけるのか?
そして、私たちが「見えている」と思っている世界は、本当にそのまま見えているのか?

身近な身体の名前から、「医学の歴史」と「知の歴史」を行き来する澤井直先生の「人生いりょいりょ」第2回です。

それでは、ごゆるりとお楽しみください。

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